■概要
販売開始:2005年4月 価格:200円 販売場所:新江ノ島水族館
企画監修:荒俣 宏 造形制作:海洋堂
造形総指揮:松村しのぶ 原型制作:村田明玄 原型塗装:清水ゆう子
アートディレクション:大岡寛典事務所
まだ写真がなかった200年前、次々と発見される新たな生物を記録したのが「博物画」でした。
当時の人々によってときには誇張されて描かれることもあり、実際の生き物と博物画が異なっていることもあります。そんな博物画を立体化したのがこのシリーズ。
■販売形態
「新江ノ島水族館立体生物図録2」の同一カプセルに1つ入っていました。
当時、「江ノ水図録2」は「新江ノ島水族館への誘い2」としてドリンクのおまけで入手できたため、200円の価値を付けるために付属されたのでしょう。
ちなみに「新江ノ島水族館立体生物図録1」には「The Deep Sea Odyssey1」が付属していました。
■コレクションBOX
全8種を収納できるコレクションボックスが1,000円で販売されました。
荒俣氏による図鑑と並べられるように同サイズになっており、そちらの図鑑は「世界大博物図鑑
ATLAS ANIMA 1~5」というタイトル。
このシリーズの英語タイトルはそれにあわせたものになっています。
01. シュモクザメ |
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18世紀にショイヒツァーによって書かれた「神聖自然学」では、聖書の内容を科学で証明しようとしており、「深海にいる悪魔の竜」としてシュモクザメを紹介しました。 フィギュアは挿絵の、海面から顔を出す写実的なシュモクザメを立体化。 |
02. ジイベイザメ |
江戸最高の博物学者と言われる栗本 丹洲(くりもと たんしゅう)によって書かれた魚類図鑑「栗氏魚譜」(1819)に掲載されたジンベエザメは、その口の大きさから「人喰鮫」として紹介されました。 当然、プランクトン食のためそんなことはありません。 |
03. タテジマキンチャクダイ |
熱帯アジアの海にいるサンゴ礁魚類を、「モルッカ諸島彩色魚類図鑑」(1718)で世界で最初にまとめたのがルイ・ルナール。 細部の飾りなど、誇張しまくっている感があります。 解説書とフィギュアで色、違うじゃん!と思ったら、どうやらフィギュアの元になったのは別の絵のようですね。 |
04. ホッキョククジラ |
シュレーバーによる「哺乳類誌」は1774~1846年の72年に渡って増補され続けました。 当時の人々は、クジラやイルカを海中で見たことが無かったため、このような描かれ方がされました。 うっかり陸上で潮吹きをさせてしまったのは、そんな理由。 |
05. イダテントビウオ |
18世紀まではトビウオは鳥のように羽ばたいて空を飛ぶと考えられてきたが、ドノヴァンの「英国魚類誌」(1802)でははじめて滑空するだけであることを主張しました。 元の写実的な絵を見事に再現していますね。 |
06. コウモリダコ |
「イロンデル号科学探査報告」(1889-1950)に掲載された「地獄の吸血イカ」。 実際は赤みを帯びた体色ですが、深海から引き上げられて黒ずんだようです。 当然、額にある大きな口などない。 |
海洋堂からは何度かフィギュア化されています。 |
07. 金魚 |
ラインナップの中では比較的新しい出典元。 大野麦風(おおのばくふう)による「大日本魚類画集」(1937-1944)は、生き生きした魚たちを錦絵で表現しています。 麦風は水族館に通い詰めて画集を完成させたとのことで、水族館の多い日本だからこその画風といえよう。 |
08. ペリカンアンコウ |
ブラウアー「深海探索記録魚類編」(1898-99)より。 チョウチンアンコウを世界で初めて展示したのはリニューアル前の「江ノ島水族館」。 ラインナップ入りにふさわしい生き物ですね。 |
解説書 |
カプセル |
コレクションBOX |