海洋堂 DIGITAL GARAGE KIT ティラノサウルス

販売開始時期:2019年7月 価格:29,000円 発売元:海洋堂 原型制作:松村しのぶ
■ノンスケール ■Formlabs純正レジン グレー

【DGK】
2019冬のワンフェスでスタートしたデジタルガレージキット(以下DGK)ですが、2019夏のワンフェスでは一気に32種を追加し、本格始動しました。ネイチャーモノ第1号はこちらのティラノサウルス、サイズ・価格は会場で販売されたDGKのうちでぶっちぎりでトップ。
DGKは3Dプリンターで複製されています。これまでのガレージキットや量産フィギュアの製法(シリコン型や金型による複製)とはまったく違う手法であるため、従来ではありえないワンパーツ部品が出力されるのが特徴(サイズの制限がなければ、あらゆる造形をワンパーツで出力できるのではないだろうか)。ガレージキット業界の新たな時代の幕開けと言えよう。

【原型・サイズ】
カプセルQ恐竜発掘記と同一の3Dモデルを使用しているようです。今後はこのように、複数サイズで展開されることが多くなるかもしれません(実際、DGK「ガラモン」は複数サイズ展開されている)。
今回「ノンスケール」としてスケールを明示していないのは、そのような背景によるものかもしれません。

【素材】
「Formlabs純正レジン グレー」とは、アメリカに本社のあるFormlabs社製の3Dプリンター用の純正レジン(グレー)を使用していますよ、ということのようです(現在は「Form2」と呼ばれる機種が主流のようです。サードパーティ製の互換フィラメントもあるということなのだろうか)。
DGKのレジンは従来のレジンと比べてかなり軽く感じ、弾力があってPVCのような質感。
もしこのサイズで従来のレジン製だったら、重量的にWF会場で持ち歩くことは難しかったでしょう。また、価格は最近のソフビフィギュアと比較すると割高ではありますが、従来のこのサイズのレジンキットの値段を考えれば妥当でしょう。

【DGKラインナップ】
2019冬のワンフェスでは、「しゃがみティラノ」が参考出展されていました。結局、新規造形のこちらが販売されたので、そちらの製品化はなくなったのかもしれません。残念。
同時に公開された古田さんの南天雄鶏図は、新規造形のスピノサウルスとともに、上海WFでは完成塗装品として販売されたようです。それらが日本でも発売されるのか、そして未だ発売されていないマチカネワニが発売されるのか、期待して待ちましょう。

頭部。3Dプリント部品にはこのような「サポート材」と呼ばれる不要部位が付着します。スカイツリーみたいでかっこいいですね。
従来ではありえないワンパーツ。造形はほぼ同時期に発売されたミニチュアと同じですが、やはり迫力が違いますね。造形は安心の松村モデル。
若干大きい1/20ティラノサウルス(ソフビ)と比較。解像度はソフビの方が上。これが3Dモデルの作りこみの問題なのか、3Dプリンタの出力の限界なのかは不明ですが、まだまだ伸び代のある技術ということですね。
胴体と前脚でワンパーツ。
内部の素材を減らすことで軽量化を図っているようです。おそらく内部もサポート材のような骨組みがあるはずなので、ソフビキットのような変形を気にする必要はなさそう。
左脚。
右脚。
尻尾。
本製品のかなりの体積を占める土台。DINOLANDでは一部を除き台座が付属しなかったのでうれしいですね。
パッケージはダンボールにシール。バーコードも付いているので、そのうち一般販売されるでしょう。
ワンフェスで展示された塗装例。
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