奇譚クラブ ネイチャーテクニカラー 日本のカメ

■概要
販売開始時期:2010年5月 価格:300円 
監修:豊平両生爬虫類研究所 原型製作:KOW 企画総指揮:佐藤純也 販売元:奇譚クラブ
前作「サバンナ」から10ヶ月、満を持して発売されたのが日本のカメでした。
初期の開発構想(海洋1[初版]の解説書に書いてある)を見ると「日本のカエル→サバンナ→南極→北極」とありました。
また、奇譚クラブのブログに「やっと皆様のお手元に届ける日を迎えることができました…」とあるように、様々な事情があって本作のリリースとなったのだろうなと予想します。
■ラインナップ
ラインナップはサバンナと同じくカラバリ2タイプを含む全10種。
特にアカミミガメやタイマイの塗装はカプセルフィギュアとしては最高峰の出来栄えではないでしょうか。
■日本のカメ?
さて、日本のカメといえば、と言われたら、色々な回答があると思いますが、「ニホンイシガメ」を挙げる人は多いでしょう。
しかし、本作ではラインナップされず、なんなら同じく佐藤編集長による「原色爬虫類カメ目図鑑 [新改訂版]」(2004)にもラインナップされませんでした。
何か理由があるのでしょうか?

ミシシッピアカミミガメ
日本全国に広まっている、北アメリカ原産のカメ。
子ガメは「ミドリガメ」として、かつてお祭りなどで簡単に手に入ったのも、日本中に広まった原因なのでしょう。
フィギュアは遊泳シーン。
ミドリガメ特有の模様が丁寧に再現されています。  

本作のリリースから13年後の2023年、「条件付特定外来生物」に指定され、ペットショップ等で購入することはできなくなりました。
 
原色図鑑シリーズのものと比較。
 
ニホンスッポン
硬くない甲羅が特徴的。
防御力ではなく、遊泳力や攻撃力にステータスを振ったようです。
食用とされているのも、そんな理由なのでしょう。
 
長い首や、伸びた鼻は呼吸に便利。
フィギュアは呼吸のために水面へ向かうシーンと思われます。
スッポンの特徴をよく表している、素晴らしいフィギュア。
 
原色図鑑シリーズのものと比較。
 
クサガメ
「草ガメ」ではなく、「臭ガメ」。
日本の河川でよく見られ、かつては古くから日本に存在した・・・、と考えられていたようですが、地域によっては「外来種」では?という説もあるようで、難しい問題のようです。

台座から落ちそうなポーズ。
 
原色図鑑シリーズのものと比較。
 
クサガメ(黒化型)
クサガメのオスは、成熟すると全身が真っ黒に。
白い墨入れで、甲羅の造型が際立ちます。
 
原色図鑑シリーズでは、クサガメ(黒色)がシークレットのひとつでした。
 
リュウキュウヤマガメ(赤褐色個体)
ようやく日本固有種。
沖縄北部の「やんばる」に生息し、天然記念物に指定されています。
現地の方言では「ヤンバルガーミー」。
 
生息地は原生林、というのが土台からも分かりますね。
 
甲羅の後ろはギザギザ。
リュウキュウヤマガメ(青緑色個体)
甲羅の色は黄色やオレンジ、本作のような緑など、個体によって異なるようです。
 
よく似たサイズのフィギュアとして、海洋堂の「週天」のもの。
こちらも、原生林をテーマにしたベース付き。
 
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