タカラトミーアーツ 原色図鑑シリーズ
原色擬態昆虫

■概要
販売開始:2021年10月 発売元:タカラトミーアーツ 価格:400円
監修:福井敬貴
公式サイト:コチラ
令和の時代に「原色図鑑シリーズ」が帰ってきました。
原色図鑑で昆虫といえば、リアル昆虫フィギュアの金字塔「原色日本昆虫図鑑」シリーズ。
はたして「原色図鑑」にふさわしい出来なのだろうか・・・と不安(ぶっちゃけ期待してなかった)でしたが、当時と同じくナイロン製の触角が用いられているほか、脚(昆虫フィギュアの出来栄えに直結すると思っている)も細かく造形されています。
塗装も手抜き無く、真面目にリアル生物フィギュアに取り組んだ印象。
そしてこれが経験豊富な中国工場でなく、着実に技術力を上げてきているベトナム工場で作られているのが驚き。
脱チャイナでタカトミのリアル生物フィギュアの復活を願いましょう。

■「原色図鑑シリーズ」
タカラトミーアーツの生物フィギュアブランドは大きく分けて3つ。
・立体カプセル百科事典
・不思議生物大百科
・あそべる生物フィギュアシリーズ(最近の主流)
かつて原色図鑑シリーズは「立体カプセル百科事典」に含まれていましたが、本作は「原色図鑑シリーズ」のみタイトルされています。
「立体カプセル百科事典」は終了したっぽい(?)。

■可動しなくたって
最近のネイチャーフィギュア界隈について、タカトミは前述のとおり「あそべる生物~」、バンダイは「いきもの大図鑑シリーズ」、海洋堂は「リボジオ」と、可動フィギュアばかり。
ただでさえニッチなネイチャーモノを商売として成功させるには「可動」のプラスワン要素が必要なのでしょう。
そんな情勢のなかで非可動リアルフィギュアを手に取ってみると、やっぱこれだなという安心感があります。タカトミさんにはこのシリーズも続けていただきたいところ。

オオコノハムシ
かつての原色昆虫図鑑は「日本」にこだわり続けたため、令和の時代になってようやく外国産昆虫の登場です。

日本では見られない「コノハムシ科」はナナフシのなかま。
生息地はアジアの熱帯ジャングルのため、大きな葉に似せると都合がよかったのでしょう。

その中で最大のオオコノハムシをフィギュア化しており、サイズはもちろん実寸大。
脚の先端の吸盤のような部位も細かく再現しています。
ハナカマキリ
ここからはカマキリ3連続。

東南アジアに生息する、文字通り花に擬態するハナカマキリ。
実はランの花のようにピンク色になるのはメスだけ。
成虫になる一歩手前の幼虫が、いちばん花に似ているそうです。

かつての原色昆虫図鑑と同じく、細いナイロン製の触角パーツを採用しています。
そして簡単に抜け落ちてしまう点までも過去作と同じ(堪えかねて軽く接着しました)。

かつての原色昆虫図鑑は部位によってはABS、PVCで素材を使い分けていましたが、本作では触角以外はPVC(柔らかいが破損に強い)のため、カマキリには透明な土台が付属します。
ヒシムネカレハカマキリ
漢字で書けば菱胸枯葉カマキリ。
東南アジアに棲み、メスは卵を孵化するまで守る習性があります。

昆虫の「擬態」には「風景に紛れ込む」タイプと「毒のある生き物や天敵の天敵に似せる」タイプのふたつに分けることができ、本作は前者。

枯葉っぽい汚し塗装も入っています。
コノハカマキリ
南米のジャングルに住むカマキリ。
カマキリとゴキブリは近い(翅のつきかた、さなぎ時代がない点が共通している)と言われますが、コノハカマキリはフォルムも相まって よりゴキブリっぽい。

グラデーションを多用した塗装が良いですね。
解説書
 
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