海洋堂 REVOGEO 全地球立体生物目録[リボジオ] ダイオウサソリ
発売日:2019年2月25日 価格:8,100円 
製作総指揮:松村しのぶ 原型制作:山崎太久也 可動加工:大津敦哉
公式サイト:コチラ
海洋堂の新ブランド、「リボジオ」の第一弾。海洋堂の可動アクションフィギュア「リボルテック」シリーズで培われた技術を、ついに動物フィギュアにも投入しました。同じく可動フィギュア「ソフビトイボックス」ではコスト・技術的に不可能となった生き物たちを製品化していくのでしょう。
実はこの「リボジオ」、発売までにコロコロ名称が変わっていました。一度まとめておきましょう。
----リボジオ発売までのイベント----
2017/08 ワンフェスにて「ソフビトイボックス」としてダイオウサソリ、アカテガニ発表
2018/07 ワンフェスにて「アースロポッズ(仮)」として展示
2018/11 HL等で「リボルテック・アース(仮)」として展示
2018/11 てんず~にて「リボルテック ジオ」として展示
2018/12 「リボジオ」プレスリリース
2019/02 ワンフェスにて「全地球立体生物目録」が付与
(なお英語表記はREVO GEOなのかREVOGEOなのか結構ぶれぶれ)
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「アースロポッズ」は「節足動物」の英語ですので、それ以外の生き物にも展開できるように変更されたのでしょう。実際、恐竜の骨格も検討されているようです。
また、これまで「~図録」と付くフィギュアシリーズが多かったのに対し、今回は「目録」。ざっと調べてみると「図録…図を多く載せた記録」「目録…目次、体系的に、網羅的にまとめたもの」といった違いがあるようです。すなわち「地球すべての生物をリストにするぞ」という幅広いシリーズ展開を意識しているのですね(?)
第1弾はお蔵入りになりかけたダイオウサソリ。意外と海洋堂のサソリフィギュアは少ないのでうれしいところ(ファーブル昆虫記ナイトアクアミュージアム(未入手)、有毒危険動物大全(未入手)など)。原型制作はフクロウ大全3も担当された山崎さん。次弾アカテガニの原型も担当しており、吉良さんやSHINZENさんと同じく、今後の海洋堂動物フィギュアを支えていくひとりになるのは間違いないでしょう。

 
第1弾ということでパッケージチェック。他のリボルテックと違い、高さも厚みも巨大。「目録」と付くように、本のような作りになっています。製品の写真は背表紙の小さな一枚のみで、量販店でこれを見かけた時は「商売として大丈夫か・・・?」と思いましたが、そもそもの購入層は「わかっている」人たちなので問題ないですね(もしかしたら苦手な人に配慮した結果なのかもしれない)。
表紙は文字通り地球を意識したデザイン。ロゴの三色は空・陸・海を表しているのでしょう。

扉には松村さんのサインと顔写真。ここまで松村さんを強調した製品も初めてではないでしょうか。それほどまでに「松村ブランド」が確立されているということですね。。個人的には原型師の山崎さんをもっとフィーチャーして欲しかったのですが、そこはきっと企業としての戦略なのでしょう。
カプセルフィギュアのパンフレットに解説が無くなった今、「(解説:松村しのぶ)」の記載がうれしいですね。

フィギュア本体はブリスターではなく、針金で標本のようなデザインで収められています。素晴らしいセンス。
本体チェック。節足動物と関節球の親和性は非常に高いことを確認。サイズは実寸よりもふたまわりくらい大きい?
黄色や赤色の差し色が美しい。
ディテールチェック。サソリの顔はこうなっているのかという勉強にもなります。複数ある眼のうち、頭頂部の二つの眼は塗られていますが、左右3つずつの眼(写真のエッジの部分(見づらい))は塗られていないので、さっと塗ってあげると良さそう。

ハサミのグラデーションは見事。
可動箇所は11箇所(取説にはなぜか10箇所と書いてある)。公式ページ等にも書いてあるとおり、全関節を可動にするのではなく、らしく見せるようにあえて非可動部分もあります。ソフビトイと比較すると、ひとつの関節の自由度は3倍。ソフビトイ以上に遊び甲斐があります。尻尾の付け根だけでなく、腹と尻の部分も可動なので、より自然なポーズをとらせることができます。
リボルテックの部品を流用する弊害として、特有の「+」マークがやや気になる点ではあります。特にウデの付け根はデフォルトだと気になる(左ウデ)ので、裏返せばOK(右ウデ)。「今後、リボジオ専用ジョイントを企画中」とのことなので、これは今後改善されるのではないでしょうか。
アクアテイルズ等、昨今のコスト増でお蔵入りフィギュアが多発していく中、よくぞ妥協せずに製品してくれたと言いたくなる一品でした。
こんなクレイジーな製品を出せるのは海洋堂だからこそなのでしょう。クレイジーなコレクターは是非購入して体感してみて欲しい。
第1弾ということで、フィギュア自体の出来だけでなく、シリーズの仕様も気になるところでしたが、今後も集めて箱をずらりと並べたくなる商品。可動動物フィギュアとしては、ここが終着点ではなかろうか。
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